2025年05月23日 09:13
中古のキャンピングカーを探していた際に「え?この年式でこの価格???」と驚くことが多かったです。
実際、新車とほとんど変わらない価格で売られている中古キャンピングカーも珍しくありませんでした。
前回はキャンピングカー全体の価格が高止まりしていることを考察してみました。
その記事を書く際に調べている中で、中古キャンピングカーは中古キャンピングカー特有の理由で価格が高止まりしている要因を見つけました。
今回はなぜ中古キャンピングカーがいつまでたっても値段が崩れないのか、その背景にあるものから考察していきます(=゚ω゚)ノ
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まず最大の要因は、新車の納期が長期化していることです。
型式認証不正などによるベース車両(カムロードやハイエース)の供給遅延、キャンピングカービルダーの人手不足などが重なり、新車キャンピングカーの納期が1~2年待ちになるケースが存在します。
「今すぐ使いたい」「今年の夏に間に合わせたい」といったことを考えるユーザーが中古車キャンピングカーの購入に動いているため、需要が過熱して価格が高止まりしています。
実はキャンピングカー市場には、数年前から法人需要が大きく影響するようになっていて、たとえば次のようなケースでキャンピングカーを購入するケースがあります。
●社員の仮眠・待機所として使う
●災害時の備えとして導入する
●福利厚生用に活用する
法人では4年落ち(厳密には登録から3年10か月経過)の中古車両を購入した場合、残存耐用年数が1~2年となり短期間で減価償却できるというメリットがあります。
上記のような用途で、法人が減価償却しやすい中古車を狙って購入しています。
その結果、この辺りの年式の中古キャンピングカーの需要が増加することで、ここでも需給の関係であえて価格を下げる必要が生まれづらくなっています。
自動車市場では、年式が古くなるほど価格が下がっていきます。
このとき、法人需要と個人需要は微妙にズレることが多く、それ故に価格下落のバイアスがかかりやすいのですが、キャンピングカーに関してはニーズがバッティングしてしまっています。
●新車の供給が限られている
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●すぐに乗りたい・入手したい層による需要が集中
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●4年未満の車両は即戦力で装備も新しく法人・個人ともに需要旺盛
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●通常なら価格が崩れる4年経過以降の中古も、法人の減価償却ニーズにより高需要
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●価格が落ちにくくなり新車を待つあいだの「つなぎ購入((納車までの間に別のキャンピングカーを購入しても、損なく(または多少のコストで)乗ることができる)))」が生じる
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●中古車を狙う層の購入価格ベクトルの上昇と6年超の車両への需要増
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●さらに「価格が下がる理由がない」市場となる
↓
●その結果、さらに価格が崩れにくくなる
という好循環のようなサイクルが生じています。
新車の供給不足 × 税制上の有利性 × リセールバリューの高さが連鎖的に中古車価格を支えているわけですね(;´・ω・)
中古キャンピングカーの価格が高止まりしているのは「欲しい人が多い」「でも出回る車が少ない(取り合いとなる)」という基本的な需給ギャップに加え、車両供給の限界と減価償却による法人需要の底堅さがあり、リセールの高さが次なる購入サイクルを生み出しているため、価格が自然に下がりにくい構造が形成されています。
その結果、単なる「古くから安くなる消費財」ではなく「計画的に買われる資産」としてみなされるようになっています。
キャンピングカーをこれから購入しようとしている方は、こうした背景を知っておくことで「なぜこの車両がこんな価格なのか?」が納得しやすくなると思います。
僕は先日の記事の通り10年超の車両を注文したばかりですが、今後も新車中古車キャンピングカーの動向を見ながら、納車されるキャンピングカーを徹底的に使い倒していくか、または乗り換えていくか常に考えていきたいと思います。